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『いつもそう。すごくいい奴だけど、で終わってしまうのよ』と、赤い目をした君が僕の所へやってくるのは学生の頃らから繰り返してきた事だった。 僕は寛大な気分になって両腕を広げ、君のために空けておいた場所をしたり顔で提供する。そんな役回りを君は僕に与えてくれていたから、僕はそれがこれからもずっと与えられるものだと信じていた。 赤い目をした君が、首を横に振って拒絶するまでは。 「もう、いいのよ……」 無理に笑おうとしている君が、不思議と今までで一番魅力的に見えた。 ――いいって、どういう意味? もう僕が必要ないって事? 慰め役はお役ごめんって言いたいわけ? 聞きたい事はあるのに、洗濯機のつくりだす濁流に飲み込まれたシャツみたいに、ぐるぐると回っているだけで一つも上手く取り出せない。 君はそんな僕から視線を外し、左手の薬指に嵌めた指輪を右手の親指の腹で撫でた。何度も何度も、言葉を探すように。 ――結婚、するんだね? 喧嘩ばかりしていたあいつと。 喉まで出かかった言葉が、どうしても声にならない。 『友達』で『栄養補助剤』という立場を解雇されようとしている僕は、そんな立場に甘んじていることで、自分の本当の気持ちをごまかしていたことを初めて知った。 もう遅いのだと判っている。君を困らせてしまうかもしれない。でも僕は、君の幸せをこれからも一番に願いたいから、正直な気持ちを言わせてほしい。 「……あのね、私――」 「……あの、今更だけど――」 二人で同時に言いかけて、気まずい気持ちで視線を合わせ、あまりに互いが深刻そうな顔をしていたので苦笑いが浮かぶ。 「なに?」 「なによ?」と押し問答をした後で、しぶしぶ君が唇を開いた。 「あのね、私、彼とはもうだいぶ前に別れたの」 「え?」 涙を拭い、悪戯っぽく微笑んだ君に、僕は何がなんだかわからないまま、またもや君の笑顔に魅了されている。 「これはあなたに会う理由」 そう言って指輪を外し、僕を真直ぐに見る。 「でももうやめた。だってあなた全然鈍いし、このままだとおばあちゃんになっちゃいそうだから、これからは正攻法でいくことにするわ」 ――まったく、君には参ったよ。 僕は心の中で白旗を振った。いったい誰が君を『いい奴だけど』なんて言ったんだ? たしかにいい奴なのは間違いないけど、君はこんなにも、僕を揺さぶる魅力を持っているというのに。 ・**☆**・・**☆**・恋文祭り、届けこの想い ・**☆**・・**☆**・ お題の相手ブログに向ける、恋するフィクション恋文コンテスト。 そうです、この恋文は、フィクションです! 揺さぶれ、心。 あしらえ、魂。 笑いを取るも良し。 感動を呼ぶも良し。 選考は、お題の相手に決定権を委ねましょう! 優勝者は、次回のブログ指名ができます!! 開催期間: 2005年2月4日(金)〜2005年2月21日(月)午前0時 審査員: 「よかった探し。」のColortailさん 応募方法:次のURLにトラックバックを送る http://rosslynva.exblog.jp/tb/1920893 審査方法: お題ブログの製作担当者からの、返信トラバにて決着! ☆ あくまでも、フィクション恋文という姿勢を崩さないよう、 ☆ 参加者の皆さんは気持ちをしっかりと持って、本気にならないように。 ☆ エスカレートして、ストーキングに走らないよう、超気をつけて下さい。暴走は厳禁です!! ※ 誰でも参加出来るようにこのテンプレを記事の最後にコピペして下さい。 主催: 笑ッカー本部 恋文企画同盟 8回恋文企画・届けこの想い! ・**☆**・・**☆**・・**☆**・・**☆**・・**☆**・・**☆**・ 初めましてです。宜しくお願いしますm(_ _)m 滑り込みりセーフですね、ゼェゼェ。 占いのダックスフンドさん・・・じゃなくて、colortail さんをイメージしてみました。
by e--mi
| 2005-02-20 18:18
| kaku
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